
形成外科とは「形を作る(回復させる)外科」
として外科学のうちの一領域を占めます。
医学の歴史のおいては失われた形状を
回復しようとする外科手術は、古く紀元前の
インドやイタリアでの手術記録があり、
形成外科のルーツとも言えます。
近代形成外科は第一次世界大戦における
戦傷者の治療を中心に欧米において
飛躍的発展を遂げました。日本においても
明治維新以後、西洋医学の流入にともない
外科学が急速に進歩したが、外傷の治療、
疾患部や腫瘍の切除などが中心でありました。
機能と形態の再建外科が盛んになったのは
第二次世界大戦後以降です。その後次々と
形成外科の診療科が創設され、先天異常の
治療を始め、顎顔面手術、マイクロサージャリー、
組織培養や再生医療などの基礎研究が発展して
きました。



「できもの」のお悩み
一般的に「できもの」とは湿疹のような皮膚疾患から、腫瘍性病変による盛り上がりま
さまざまな病変が考えられます。
形成外科では腫瘍性病変を主に治療対象としております。
- *よくみられる疾患
- 「粉瘤」皮膚の上皮細胞に由来する皮膚腫瘍。皮下に袋を作り内部に老廃物などを入れ、細菌感染すると赤くはれ上がり膿が出ることもある。皮膚表面からこりこり触れることができる。細菌感染を繰り返す場合は、切除を勧めます。
- 「母斑細胞母斑」(写真4)いわゆるホクロ。底にある母斑細胞がメラニン色素を輩出し、
放置しておくと徐々に大きくなる傾向がある。まれにガン化することあり。
この母斑細胞を含めた切除が必要。
- 「黄色腫」(写真8,9)上瞼にできる黄色い良性腫瘍。高コレステロール血症と関係深い。
外観上気になる時は切除の対象となる。
- 「脂肪腫」(写真5)脂肪細胞が腫瘍様に大きくなったもの。大きくなると周囲に圧迫する
ことで痛みが生じることがあり。
- 「石灰化上皮腫」内部にカルシウムをふくみ、硬くしこり様に触れる。
- 「皮膚がん」基底細胞がん(写真10)、扁平上皮がん(写真11)、黒色腫(写真12)など
組織学的に様々な分類がされる悪性の皮膚がん。局所的には切除が必要であり、全身に
転移がないかチェックが必要となります。

基本的には病変部を切除し、縫合します。良性腫瘍の場合は病変部境界にそって切除
しますが、ガンの場合はある程度の余裕を持たせて切除します。また、大きく切除し、
縫い縮められない場合は皮膚の移植か皮弁術といって近隣の皮膚を寄せてくる必要が
あります。
切除後、腫瘍はすべて病理検査に提出しガン細胞の有無をチェックしています。

「キズ跡をきれいに、、」
腹部の外科手術後や帝王切開の傷跡が幅広く目立ち、引きつれ痛みがある場合や、
外傷受傷後の傷跡が残って目立ち引きつれ痛むとき、傷を再切除し丁寧に縫合して細い
1本の傷にします。傷自体をなくすことはできませんが、大きく目立つ傷を細く
目立ちにくい傷へ形成し、引きつれによる痛みを取り除きます。

熱傷や潰瘍や外傷後の外来処置も承っております。熱傷や潰瘍は、すべての創に
皮膚移植手術が必要になるわけではなく、処置のみで上皮化するものも多数あります。
保存的治療か手術治療が必要かは日々の診察で見ていきます。

まぶたは、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)によって持ち上げ目を開けています。
この筋肉の力が衰えてくると、目が開きづらくなったり、眠たい目をしているなどの
症状が出てきます。また、生まれつきの筋肉の力がない場合は先天性の眼瞼下垂と
なります。年を取って眼が開きにくくなってきた、なんだかいつも眠たい目をしている、と気になる方はぜひ形成外科に相談してください。
治療は伸びきった眼瞼挙筋をつけ根である瞼板(瞼の辺縁にある軟骨部)に再固定を
していきます。治療により、開けた視野を得ることができます。